新公益法人制度 ズバリ詳細解説3 −新しい法律の内容から−
2006年5月17日

非営利法人総合研究所(NPO総研)
CEO兼主席研究員 福島 達也

 新制度で、公益法人はこう変わる!
 法人格の取得と公益性の判断が完全分離。
 法人格取得は登記のみ。公益性の有無は民間有識者委員会が判断。

公益法人が4つに分かれる

 この法律の柱は何と言っても、各監督官庁の許可制を排除して、登記のみで法人を設立できるようにしたことですが、それだけではどの団体が公益的なのか、さらに信用できる団体なのかわからないという声がありました。確かに、登記だけで設立できるというのなら、一般の会社と同じく、暴力団でもマルチ商法の団体でも設立できることになってしまいます。それでは、せっかく今まで積み上げた信用や信頼に傷がついてしまうことになります。

 そこで、今までは単に「社団法人」「財団法人」という区別しかなかった公益法人を、「一般」と「公益」とに区別し、さらにその中で「社団」なのか「財団」なのかを分けます。
 そして、「公益」のつく法人格を取得するには、内閣府や都道府県に設置する第三者機関である「公益認定等委員会」の有識者7人が、公益性の認定や取り消しの判断をするのです。

 これにより、「一般社団法人」「一般財団法人」「公益社団法人」「公益財団法人」という、4つに分けられることになりました。

 しかし、これで今までの問題はすべて払拭されるのでしょうか。登記のみで設立ができるといっても、官庁の相変わらずの指導下から脱皮できるかどうか。さらに、第三者機関の委員を選ぶのは誰がどうやって決めるのか、さらにその人たちがいかに公平な判断ができるのか、より一層の透明性が求められます。このあたりを一歩間違えると、前とまったく変わらず、官公庁の影響を受けた団体になってしまうことでしょう。


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